小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

WoWoW放映7月後半の関心作(WoWoW初出映画から)

 例によって映画の解説文はWoWoWサイトからの全面的なパクリです。すいません。

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すばらしき映画音楽たち

7/20(木)よる9:00  8/2(水)午後2:30 

 映画をより盛り上げる重要な要素が映画音楽。その価値や長い歴史を、実際に映画音楽を手掛ける音楽家たちや一流フィルムメーカーたちにインタビューしたドキュメンタリー。

 ある医学博士によると映画音楽は、映画の観客の頭脳に多大な影響を与えているという。映画音楽とは何かという素朴かつ重要な疑問に対し、実際に映画界の最前線で映画音楽を作っている音楽家たちや一流フィルムメイカーたちが答え、さらに彼らや先人たちがどう映画音楽をクリエイトしてきたかという作業の一部を見せることで、映画音楽の魅力を再確認させられるドキュメンタリーが本作だ。毎日のようにたくさん映画を見ている人も知らなかったであろう重要な“気付き”を満載している。WOWOWの放送が日本初公開。

秘密 THE TOP SECRET

7/22(土)よる9:00  7/23(日)午後2:30 

 死刑執行後、受刑者の脳内に隠された記憶の映像化から、家族惨殺事件の意外な真相が浮かび上がる……。生田斗真主演の話題のサスペンス。WOWOW FILMS作品。

 清水玲子の大ヒットコミックを、「るろうに剣心」シリーズなどの大友啓史監督が実写映画化。人の脳に隠された記憶を映像化して事件の真相に迫るというSFタッチのサスペンスが展開する。まだ有り得ないかもしれないが、将来実現するのではと思わせる趣向で物語にリアリティを与えている。捜査を担当する人間が犯罪者の心の闇にのみ込まれていく展開はサイコサスペンス映画の王道を思わせ、家族惨殺事件の鍵を握る少女を演じる織田梨沙と、捜査班側の生田、岡田将生、大森南朋との手に汗握る演技合戦も見どころだ。

シークレット・アイズ

7/23(日)よる9:00  7/26(水)よる8:00 

 未解決殺人事件の謎を執念深く追う男女がついにたどり着いた驚愕の真実とは? N・キッドマン、J・ロバーツ、C・イジョフォーの豪華競演による衝撃のサスペンスドラマ。    第82回アカデミー外国語映画賞を受賞するなど、国内外で絶賛を博したアルゼンチン映画の秀作「瞳の奥の秘密」を、「ニュースの天才」のB・レイ監督が、物語の舞台をアメリカに置き換えてリメイク。元FBIの捜査官が、かつての同僚たちとともに、因縁深い未解決殺人事件の捜査に再び乗り出すうち、ついに意外な真実にたどり着くまでを、実力派スター同士の豪華競演でスリル満点に綴る。2大人気女優キッドマン&ロバーツが、本作で夢の初共演を実現。オリジナル版にさらにひねりを利かせたラストのオチが衝撃的。

ジャングル・ブック(2016)

7/29(土)よる8:00  7/30(日)午後4:00 

 ジャングルでオオカミに育てられた少年モーグリが体験する冒険を壮大なスケールで描いた、ディズニーの家族向けアドベンチャー。監督は「アイアンマン」のJ・ファヴロー。

 R・キプリングによる原作小説は1967年、同じくディズニーでアニメーション映画化されて有名だが、本作は最新VFXを導入し、かつてなら実写映像化が難しかった原作にアプローチ。人間のように感情豊かなたくさんの野生動物、ジャングルの風景、そして壮大な冒険物語など、家族そろって楽しめる見せ場を満載している。モーグリ役のN・セティと彼の近くにある物以外は背景も動物たちもすべてCGで描いたのが圧巻で、2017年発表の第89回アカデミー賞では視覚効果賞に輝いた。原語版の豪華声優陣も話題だ。

WoWoW放映7月前半の関心作(WoWoW初出映画から)

 例によって映画の解説文はWoWoWサイトからの全面的なパクリです。すいません。

ハドソン川の奇跡

7/1(土)よる8:00  7/2(日)午後4:00 

 2009年、NYで起きた奇跡の旅客機生還劇と、その舞台裏の知られざる実際の出来事を、巨匠C・イーストウッド監督、主演T・ハンクスが息詰まるタッチで綴った感動編。

 2009年冬、NYの空港を離陸した直後の旅客機が、不測の事態で操縦不能の絶体絶命の危機に陥る中、冷静沈着なベテラン機長は眼下に広がるハドソン川への不時着を決断。乗客乗員の155人全員が無事生還を果たし、“ハドソン川の奇跡”と呼ばれる救出劇がここに実現したものの、その後にはなおも厳しい試練が機長を待ち受けていた…。この一連のドラマティックな出来事を、巨匠イーストウッド監督が卓越した演出力で鮮やかに描写。機長に扮したハンクスも人間味あふれる名演技を披露し、絶賛を博すこととなった。

団地

7/2(日)よる9:00  7/5(水)よる8:00 

 昭和の面影の残る大阪近郊の団地を舞台に、波乱に満ちた珍騒動が展開。阪本順治監督が、「顔」以来、藤山直美と久々に再タッグを組んで放った、奇想天外な痛快群像喜劇。 大阪近郊のとある古ぼけた団地を舞台に、そこを行き来するどこかけったいで怪しげな連中が、思いも

 寄らぬ珍騒動を次々と繰り広げるさまを、現代日本映画界を代表する実力派監督・阪本順治が、不思議なユーモアたっぷりに活写。数々の映画賞に輝き、絶賛を博した「顔」以来、実に16年ぶりに同監督と組んだ藤山直美を筆頭に、阪本組の常連俳優である、岸部一徳、大楠道代、石橋蓮司ら、芸達者な名優陣が愉快な競演を披露するほか、当代きっての売れっ子人気男優・斎藤工が意外な役どころで登場するのも見もの。

荊棘の秘密

7/5(水)よる9:00 

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 国会議員選挙戦の真っ最中に、有力候補者の娘が消えた。選挙の行方しか頭にない夫に憤りながら、母親は必死の捜索を続けるが……。ソン・イェジン主演のサスペンス。

「私の頭の中の消しゴム」「四月の雪」で日本でも高い人気を誇る女優ソン・イェジンが、夫の選挙戦中に消えた愛娘の行方を捜して奔走する母親役を熱演したサスペンス。「オールド・ボーイ(2003)」のパク・チャヌク監督が、「ミスにんじん」の俊英イ・ギョンミ監督の才能に惚れ込んで大元の脚本を書き下ろした。消えた娘の痕跡を追う中で、母親がやがて思いもしなかった事実を知っていく展開がスリリングだ。「妻が結婚した」でもイェジンと夫婦役を演じたキム・ジョヒョクが夫役で共演する。

女は冷たい嘘をつく

7/6(木)よる9:00  7/19(水)午後3:15

 シングルマザーのまだ赤ん坊である娘とそのベビーシッターが突然消える。娘を捜すヒロインの熱い奮闘と葛藤を描き、韓国で大ヒットしたサスペンス。オム・ジウォンが主演。

 2016年11月に韓国で公開され、観客動員が100万人を突破するヒットを記録。まだ赤ん坊の娘をベビーシッターに誘拐されたかもしれないと考えたシングルマザーは、警察や弁護士を頼らず、自力で娘を捜そうとするが……。容疑者のベビーシッターが韓国語が話せないのに韓国へ嫁いだ中国人というのがユニークで、シングルマザーとベビーシッター、ともに同情を誘うのが見ものだ。「ソウォン/願い」のオム・ジウォンと美人女優コン・ヒョジンが白熱の顔合わせを見せた。WOWOWの放送が日本初公開。

オフィス 檻の中の群狼

7/7(金)よる9:00  7/17(月・祝)午前9:00 

 生真面目な課長が家族を惨殺して逃亡する。刑事が行方を追う中、犯人が勤務していたオフィスで奇妙な事件が発生し……。パク・ソンウン、コ・アソン共演のサイコスリラー。

「チェイサー(2008)」「殺人の告白」などのヒット作に多く参加した脚本家ホン・ウォンチャンが長編初監督に挑むサイコスリラー。オフィスという日常空間が惨劇の舞台という非日常の世界へと落ち込んでいくさまを描く。生真面目な課長が家族を惨殺して姿を消した矢先、彼の勤めていたオフィスで不可解な事件が起き始める。課長は社内に潜んでいるのか……。「皇帝のために」のパク・ソンウンが事件を追う刑事役で、「グエムル -漢江の怪物-」のコ・アソンがインターンの女性役でそれぞれ好演を見せた。

シン・ゴジラ

7/8(土)よる8:00  7/9(日)午後2:00 

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 2016年夏に公開され、日本映画として年間第2位の大ヒットを記録。庵野秀明総監督と樋口真嗣監督が首都圏を舞台に怪獣ゴジラVS日本政府&自衛隊の激闘を描いた大作!

 日本が誇る世界的人気怪獣ゴジラを日本映画として約12年ぶりに復活させ、「新世紀エヴァンゲリオン(ヱヴァンゲリヲン)」シリーズで知られる庵野秀明総監督と、樋口真嗣監督という、いずれも特撮に造詣が深いコンビが組み、今までに見たことがないゴジラ映画が誕生。ゴジラの大暴れをリアルかつ迫力たっぷりに描くだけでなく、もしもゴジラが出現したら政府はどう対応するかをもリアルに描き、人気俳優多数の豪華共演も魅力的。大人が楽しめる娯楽大作に仕立てた。第40回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞。

ヒットマン:インポッシブル

7/9(日)午後3:15 

 車椅子に乗った殺し屋と、彼のアシスタントになる障害者の青年2人。彼らの友情と危険な運命をスリリングかつオフビートに描いた、ハンガリー産の異色クライムアクション。

 第89回アカデミー賞の外国語映画賞にハンガリー代表としてエントリーされた話題作。車椅子に乗った殺し屋とそのアシスタントになった障害者の青年2人というトリオは、映画の題材として刺激的かもしれないが、彼らを等身大の視点から見つめ、共感を呼ぶ、クライムアクションというよりはヒューマンな感動編に仕上がっていて要注目だ。時に車椅子に乗った人や障害者が苦しむ場面もあるが、彼らが互いに支え合う描写もまた多く、ペーソスがたっぷり。伏線の数々が鮮やかに結実していくクライマックスまで見逃せない。

葛城事件

7/9(日)よる9:00  7/11(火)よる7:45

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 次男がある大事件を起こしてしまった、平凡な一家。なぜそんな事件が起きてしまったかを、「その夜の侍」の赤堀雅秋監督が、三浦友和、南果歩らの豪華共演で描いた衝撃作。

 序盤、ある一家が世間の非難を浴びている事実を執拗なまでに描くが、なぜそういう事態になったかを本作はなかなか明かさない。演劇界でも活躍する赤堀監督の前作「その夜の侍」と同様、平凡だが少しだけゆがんだ日常を生きる人々の群像をカメラはリアルに捉え、後半の悲劇も多くの日本人にとって決して他人事ではないと感じさせながら、大いに考えさせられる秀作となった。出演陣では、本作によって第41回報知映画賞、第26回東京スポーツ映画賞などで主演男優賞に輝いた三浦の、役に入り込んだ熱演が光る。

あなた、その川を渡らないで

7/10(月)よる11:00 

 韓国の小村に暮らす結婚76年目の老夫婦に密着した感動のドキュメンタリー。夫は98歳、妻は89歳という夫婦が互いを支え合って生きる姿を四季の風景とともに綴る。

 本国・韓国で国内ドキュメンタリー映画史上最高となる動員数480万人を記録した秀作。結婚76年目を迎えた98歳の夫ビョンマンさんと89歳の妻ゲヨルさんの生活に15カ月間密着し、2人が過ごす日常を丁寧に写し取る。子どもたちが親の面倒見をめぐって口論するといった赤裸々な部分などにもカメラが向けられるが、老夫婦が互いを慈しみ合う姿が日々のさまざまな場面から浮かび上がり、感動が高められていく。韓国・江原道の小村、古時里(コシリ)の豊かな自然と四季折々の風景も魅力的だ。

シチズンフォー スノーデンの暴露

7/11(火)よる11:30 

 第87回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞受賞。米国の政府機関で働いたE・スノーデンが、米政府が国民のプライバシーを侵害していると告発するまでを追った衝撃編。

 米国の2大情報機関で働いた経験を持つスノーデンは、米政府が、国民が会話している電話を盗聴したり、メールを盗み見たりしてプライバシーを侵害している事実を告発すべく、“シチズンフォー”というハンドルネームを使って本作のL・ポイトラス監督とコンタクトを取った。スノーデンは監督やジャーナリストのG・グリーンウォルドと実際に会って驚くべき証言をするが、それは“スノーデン事件”と呼ばれ、世界的に大反響を呼び……。オリヴァー・ストーン監督の問題作「スノーデン」と比べて見るとさらに興味深い。

太陽のめざめ

7/12(水)よる11:30 

 親の愛を知らずに育ち、非行を繰り返す少年と、彼の更生に力を尽くす女性判事の姿をじっくりと見守り、第68回カンヌ国際映画祭のオープニング上映作に選ばれた感動作。

 かつて母親に育児放棄された6歳の少年を保護した女性判事が、それから10年後、すっかり手に負えない不良少年となった彼と再会。心に深い傷を抱え、一向に反抗的な態度を改めようとしない少年を、どこまでも辛抱強く見守る女性判事を、フランス映画界の生ける伝説女優C・ドヌーヴが貫禄たっぷりに好演。主人公の少年役に抜擢された新人のR・パラドと彼の教育係に扮したB・マジメルも好演を披露して、第41回仏セザール賞ではそれぞれ有望若手男優賞と助演男優賞を受賞。監督は女優としても活躍するE・ベルコ。

孤独のススメ

7/13(木)よる11:15 

 孤独な毎日を送る中年男性が、奇妙な風来坊の男との共同生活を通して変化を遂げていくさまを、独特のユーモラスなタッチで描き、各国で好評を博したオランダ製人情喜劇。

 愛する妻に先立たれ、息子とも長らく音信不通のまま、オランダの小さな村でわびしい毎日を送る中年男性。そんな彼の前にある日、風来坊の男が現われて奇妙な共同生活を送るうち、いつしか主人公の心境にも変化が生じ、過去のつらい体験と和解を果たしていくさまを、独特のユーモラスなタッチで描写。2013年のロッテルダム国際映画祭やモスクワ国際映画祭でともに観客賞を受賞し、さらに、日本で開催されているSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014では長編部門最優秀作品賞に輝くなど、各国で好評を博した。

ダーク・プレイス

7/14(金)よる9:00  7/18(火)よる8:00 

 衝撃の話題作「ゴーン・ガール」の原作者、G・フリンの小説「冥闇」を、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のC・セロンの主演で映画化した戦慄のサスペンスドラマ。

 一家惨殺事件で生き残った8歳の末娘。彼女の証言により、15歳の長男が逮捕され、終身刑を宣告されることに。それから28年後、ひょんなことから封印した過去と再び向き合うことになった彼女が、ようやくたどり着いた意外な真実とは? ひと足先に映画化され、世界中を騒然とさせた「ゴーン・ガール」と同様、本作も話が進むにつれてドラマの行方が二転三転。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」に続いて再共演となったセロンとN・ホルト、そしてC・G・モレッツらの息詰まる競演は、最後まで目が離せない。

ラスト・タンゴ

7/14(金)よる11:00  f:id:taa-chan:20170623113828p:plain  アルゼンチンタンゴの魅力を世界に広めた伝説的ペア、M・ニエベスとJ・C・コペス。約半世紀にわたってペアを組んだ2人の愛憎の軌跡を振り返る魅惑のドキュメンタリー。

 お互いに息の合ったコンビでアルゼンチンタンゴ界の頂点に長年君臨し、タンゴの魅力を国際的に広めるのにも多大な貢献をした伝説的ペア、ニエベスとコペス。お互いに10代半ばで出会って以来、約半世紀の長きにわたってペアを組み、その間に結婚と破局を経験。そんな2人の波乱に満ちた愛憎の軌跡を、本人たちへのインタビューと、現代の一流ダンサーたちによる再現ドラマを織り交ぜながら多彩に紹介し、タンゴファンならずとも存分に楽しめる魅惑作に仕上がった。監督は「ミュージック・クバーナ」のH・クラル。

インフェルノ(2016)

7/15(土)よる8:00  7/17(月・祝)午後3:30 

「ダ・ヴィンチ・コード」に始まるT・ハンクス主演のサスペンスアクション第3作。主人公ラングドン教授は、人類の淘汰をたくらむ大富豪の陰謀を阻止しようと奔走する。

 D・ブラウンのベストセラー小説を、巨匠R・ハワード監督と名優T・ハンクスのコンビで映画化したシリーズ第3弾。今回ハンクス扮する宗教象徴学者ラングドン教授は、増え過ぎた人類を淘汰しようとする大富豪の陰謀を阻止するため、ダンテの叙事詩「神曲」の「地獄篇(インフェルノ)」に隠された暗号に挑む。恐るべき陰謀に立ち向かう中で、歴史の陰に埋もれた謎が解き明かされるシリーズの醍醐味は本作でも健在。知的好奇心を刺激されるとともに、歴史深いフィレンツェの街を舞台にしたアクションを堪能できる。

笹塚緑道

 日曜の夕方、久しぶりに笹塚に行った。俳優・中村敦夫氏の一人朗読劇『線量計が鳴る──元・原発技術者のモノローグ』を見に行くために。開演まで時間があったので、駅周辺を散歩。学生時代はこの駅近くにバイト先があったりで、よく来ていた街なのだ。駅ビルは立派になったが、周辺の商店街の賑わいは減じたような印象がある。

 近くに、「笹塚緑道」という小川沿いの散歩道があって、こんなの昔あったかなと思いつつ、散策。玉川上水の旧水路ということらしい。

 雨に濡れた紫陽花がたいそう美しい。この写真を6月のデスクトップピクチャにすることにした。

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なす・ピーマンのパクチー肉詰め

 土曜日(2017/06/17)はせっせと自宅でお料理教室(笑)。

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www.nhk.or.jp

 レシピは「きょうの料理」の荻野恭子先生。もとはどこか外国の家庭料理だという。レシピにあったようなお米は入れず、牛豚合い挽きだけで作ったが、ボリューム感は十分。メインディッシュ感が存分にある。

 パクチーはまだスーパーでは高価。袋に入った全量を使ったが、火を入れているためだろうか、ツンとするような濃厚な香りは立っていながい、そこはかとない風味はあった。

 他にもせっせと「新しょうがの甘酢漬け」とかを作りました。

阿佐ヶ谷「ろまんしゃ」のポテトサラダ

f:id:taa-chan:20170606125028j:plain  青梅線沿線での取材の帰り、阿佐ヶ谷で下車。ゲリラ豪雨が落ち着くのを待って、スターロードの「ろまんしゃ」へ。

twitter.com

 店には告げていなかったけれど、きょうは絶対に行くと心に決めていたのだ。

 開店後1年半経ち、いろいろな試行錯誤を経て、ようやく店も「らしさ」が身についた感があると、伊作とママ。「ろまんしゃ通信」というフリーペーパーを始めたという。いかにも彼ららしい。創刊号と、店のプリンタを使い目の前で刷り上がったばかりの第2号をいただいた。

 店内のレイアウトも最初の頃とはずいぶん変わった。伊作の愛読書を店内に持ち込んだブックシェルフがなかなかに壮観。自由に読めるようだが、ただ、夜のバーでひとり本を読む客ってどのぐらいいるんだろう。

 そぼふる雨の夜の「中央線文化バー」。10時近くまで客は俺ひとりだったが、そういう日もあるという。でも常連さんもかなりついてきたようだ。けっこう飲み、気づいたら11時半。東京行きの中央線快速は終わっていた。各停で水道橋から帰宅。

タイ風チキンライス パクチー爆のせ

 土曜日の夕飯。レシピはNHK「きょうの料理」6月号を参照。

 鶏むね肉はナンプラーをまぶし、それを水(少々の塩と胡椒をまぜる)、パクチーの根、しょうが薄切りと共に米の上に載せて炊く。炊きあがったらいったん鶏をはずし、ご飯をお皿によそってから、再度上に載せ、一人前あたりひと束のパクチーの茎と葉を切ったものをちらし、特製ソース(笑)をかけていただく。

 鶏むね肉が少々固くなってしまったが、まずまず。パクチーの香りがたまらない。タイでは「カオマンガイ」というらしいがそのモドキ。

 インディカ米でつくったらもっと本格的になるだろう。次はこんなレシピ 「タイのチキンライス カオマンガイ」で再挑戦してみたい。

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ドラマ「宮沢賢治の食卓」 6/17から

連続ドラマW 宮沢賢治の食卓

第一話 幸福のコロッケ 6/17(土)よる10:00 f:id:taa-chan:20170524013626j:plain

WOWOWオンライン

 これはちょっと面白そう。

 ヤング宮沢賢治、その知られざる日々を鈴木亮平が熱演。賢治の愛した食や音楽とともに贈る涙必至の感動作。魚乃目三太による、宮沢賢治の青春時代を描いた人気漫画をドラマ化。孤高の存在と語られがちな賢治だが、実はそんなイメージとは裏腹にユーモアあふれる天真らんまんな性格だったという。本作では、賢治が愛した食べ物やクラシック音楽を介して、家族や親しい人たちと関わった若かりし日々を見つめていく。中でも詩編「永訣の朝」にも綴られた、若くして死別した最愛の妹トシとの兄弟愛は、見る者の心に深い感慨を呼び起こすことだろう。

WoWoW放映 6月の関心作(WoWoW初出映画から)

 例によって映画の解説文はWoWoWサイトからの全面的なパクリです。すいません。

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写真は『アナーキスト 愛と革命の時代』のポスターから

  • ディバイナー 戦禍に光を求めて
  • セトウツミ
  • 熱海殺人事件
  • オーバー・フェンス
  • プロヴァンスの休日
  • あの頃エッフェル塔の下で
  • 奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ
  • アナーキスト 愛と革命の時代
  • 後妻業の女
  • 帰ってきたヒトラー
  • Maiko ふたたびの白鳥
ディバイナー 戦禍に光を求めて

6/2(金)午前6:00

「グラディエーター」「レ・ミゼラブル」の人気俳優R・クロウが主演も兼ねて待望の初監督に挑み、2014年度のオーストラリア・アカデミー作品賞などに輝いた感動大作。

 ニュージーランドに生まれ、幼少時からオーストラリアで育ったクロウが、両国も参加した第1次世界大戦中のトルコ・ガリポリの戦いと、その戦争の傷痕を描いた本作の脚本に巡り合って、自分にはこの物語を伝える義務があると、念願の初監督に挑むことを決意。戦争によって引き裂かれた親子の気になる再会劇の行方を、恋愛や冒険劇の要素も交えながら雄大なスケールで波瀾万丈に描き、見応えのある感動作に仕立て上げた。共演は、「007/慰めの報酬」のO・キュリレンコと「ディスクローザー」のJ・コートニー。 

セトウツミ

6/4(日)よる9:00

6/8(木)よる9:00

 菅田将暉と池松壮亮がW主演した異色青春コメディ。河原にある階段に座ってしゃべっているだけの2人の高校生に、周辺の人々が微妙に絡んで独特の世界が構築されていく。

 此元和津也の人気漫画を「さよなら渓谷」や「まほろ駅前」シリーズの大森立嗣監督が実写映画化。菅田演じる元サッカー部でお調子者の瀬戸と、池松演じるクールな優等生の内海が、場所は同じでも時間が異なるシチュエーションでただ何げなくしゃべっているというのが基本設定で、短い各エピソードの中で周りにいる人たちが絡むだけの展開だが、2人の絶妙な間合いで繰り広げられる会話にくすくすと笑わされる。主役の2人以外も、マドンナ的役割の中条あやみほか、くせ者役者たちの好リリーフぶりも楽しい。

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2017/05/22の晩ご飯

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 ICQでいわしが丸のまま、2尾200円と安かった(?)ので、さばくのはちと面倒だが、これをカルパッチョ風にしてみようと思った。新たまねぎ、セロリ、キュウリ、ミニトマトらと一緒にオリーブオイルや酢で和えた。一昨日のカツオの刺身はもう賞味期限限界。塩胡椒してフライパンでソテーして京水菜と一緒に。あとは、残り物の肉じゃが、油揚と水菜の味噌汁。

NHK土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」

 友人に勧められて2回目を視聴、1回目はNHKオンデマンドでチェック。

www.nhk.or.jp

 時代劇はあまり好まないのだが、ま、食い物の話だし、黒木華のNHKドラマ初主演だし、ワキの役者たちも新鮮味はないが手堅いし、なにより本編のあとに付録として、黒木華が江戸の女料理人の衣裳のままモダンなキッチンに立って、「はてなの飯」こと「カツオの時雨煮茶漬け」なんぞを披露するところが、いとをかし。

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 黒木のやわらかい関西弁と仕草で、こちらもつい食指が動いちゃうんだよな。料理ドラマの新趣向かもしれない。

 高田郁の原作小説にも、著者が自ら時代考証を重ねた料理のレシピがついているという。ドラマ版も、高田氏のレシピなんだろうか。料理監修にあたるのは、「きょうの料理」など料理番組でおなじみの料理研究家・柳原尚之氏である。

澪の献立帖 料理レシピ・動画 | みをつくし料理帖

「時期がまいりましたら……」by 「海の王子」

 秋篠宮家の長女が大学同窓のイケメン君と婚約かというので、きょうは朝からテレビのニュースやワイドショーが狂ったようにうるさい。

 勤務先の弁護士事務所の入るビルの前で取材に応じた婚約(予定)者は、ほとんどの質問に、「時期が参りましたら改めてお話をさせていただきたく存じます」などと、バカ丁寧ではあるが、人を食ったような答えに終始。宮内庁筋からの口止めもあったのだろうが、それにしても、こんなことしか話せないのだったら、なんでこの時期に取材に応じたのか。

 勤務先を察知したメディア(スクラム)がビルの中にまで入り込んできたので、やむをえない対応だったのかもしれないが…。

 記者たちはかろうじて、きょうの早朝、長女と婚約者が電話で話をしたことまでは聞き出したが、どちらから電話をかけたのかと聞かれて、婚約者は「それは覚えていないんです」。はあ? 今朝のことだよ。

 7〜8分ほどの、その愚にもつかない立ち話のシーンを、NHKの10時のニュースはご丁寧に2度も繰り返した。都合15分もあれば、もっと大事なニュースを報じることができただろうに。

 人の結婚だというのにデレデレとにやけながら無駄話を続ける、地上波民放ワイドショーの時間と金の浪費は、あらためて言うまでもない。

 こういう馬鹿馬鹿しさは、せめてきょう一日に止めておいてほしいものだ。

台中「無為草堂 」の鶏鍋御膳

 3月に台湾の台北・台中を旅したことは書いてなかったかな。写真を整理していたら、こんな美味しい写真が出てきた。

「無為草堂 」という台中の茶藝館にて。建物の雰囲気もいいし、日本語を勉強しているという女子大生が、台湾茶をきちんと目の前で立ててくれるし、なにより栄養バランスを考えた薬膳風の料理が美味しい。これは「鶏鍋御膳」(みたいな名前)。

 日本人観光客もけっこう訪れるみたい。「TAIPEI NAVI」で詳しく紹介されている。

www.taipeinavi.com

2017/05/14のブランチ、能登風

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  • 上段

    • 小松菜+にんじん+油揚のおひたし(胡麻油でさっと炒めて、水と少々のいしりで煮て、水気を飛ばした)
    • 納豆 ねぎ入り
  • 中段

    • 卵焼き(“いしり”入り)
    • 紫蘇昆布+酢昆布(七尾の「しら井」のお土産)
    • ごはん
  • 下段

    • レバーのワイン煮(IQCのお総菜)
    • 八目(はちめ)のいしり干し(七尾の能登食彩市場で購入。はちめは七尾で水揚げしたものではなく、おそらく韓国あたりからの輸入。ただ、いしりで加工したのは七尾の業者 by 市場のおかみさん談)
    • 豆腐と油揚とねぎの味噌汁

というわけで、いしり醤油やはちめなど、お土産で買った能登の産品をふんだんに使った満足のいくブランチになった。デザートの「塩きんつば」もあるでよ。

 ちなみに今日のお揚げは、IQCで購入の京都の「久在屋」のもの。味噌も長野県茅野市の山高味噌の「無添加 八ヶ岳醸造蔵」というものに変えた。少し甘口の味噌である。お揚げを変えるだけでも味噌汁の味わいは格段によくなるから不思議なものである。

「七尾」というまちで

 能登半島のつけねにあたる石川県七尾市に出張があった。無理すれば東京に帰れなくはない時間だったが、金沢まで特急で出て、そこから北陸新幹線だと5時間近くかかる。泊まったほうが身体が楽だ。金沢泊という手もあったが、金沢は先月、これも出張で行ったばかりなので、今回は七尾に泊まることにした。翌日は土曜日だし……。

 初めての町である。七尾については、近年人気の近世の画家・長谷川等伯の生誕の地、コンピュータ・ディスプレイ製造の「ナナオ」(現・EIZO)の創業地、能登島を抱く七尾湾にはいい魚と海老が上がり、近世には北前貿易で栄えた──というぐらいの雑駁な知識しかなかったのだけれど、いやあ、これはこれは……。

 ここには私の琴線に触れる、いい街並みがあり、すてきな人々がいた。

「一本杉通り」の建物たち

f:id:taa-chan:20170514083331j:plain  JR西日本の七尾駅に降り立つと、輪島塗(風の?)駅名標が華やかだ。加賀友禅と思われる美しい暖簾もかかっている。これが後で述べる「花嫁のれん」だった。

 駅前は無愛想で、けっして風情があるとはいえない。ところが、そこから10分ほど歩いたところにある、「一本杉通り」が素晴らしかった。

 かつては奥能登へと向かう街道で、そこにあった杉の大木は人々に「出会いの一本杉」と呼ばれ、 目印として親しまれていたという。

 この通りには、登録有形文化財に指定されるような、江戸期の雰囲気を残した明治から昭和初期にかけての腕木構造や土蔵造の古い商家がいくつも残る。古い商店のいわゆる看板建築も面白い。こういうものは意識して残さない限り、けっして残らないものである。

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 詳しくは知らないが、地元の人々が歴史を踏まえた新しい街づくりに取り組んだ成果でもあるようだ。

 一本杉通りで最も美しい商店建築といえば、この「しら井」ではなかろうか。創業80年。北前貿易に淵源をもつ、昆布、わかめなどの海産物加工品を製造販売する。金沢市にも店を出している。いくつかお土産を買った。

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f:id:taa-chan:20170514083316j:plain「北島屋茶店」は、明治38年の大火を逃れた数少ない建築物。もとは廻船問屋の別宅だったという。

 一本杉通りから少し離れたところに「天平(てんぺい)」という銘柄の造り酒屋があった。

「かつては市内に十数軒、造り酒屋があったけれど、いま残るのはウチだけ」とおかみさんが話してくれた。三年もの、五年ものの古酒の利き酒をさせてもらい、お土産に三年ものを買った。

f:id:taa-chan:20170514083313j:plain  この「布施酒造」の土間にも、「花嫁のれん」が飾ってある。

「花嫁のれん」の由来

「花嫁のれん」とは、石川県を中心に北陸地方各地で見られる、婚礼に用いられる特別な暖簾またはそののれんを尊び用いる風習を言う。

幕末から明治時代にかけて、加賀藩の領地である加賀・能登・越中の地域で行われた。平成時代に入っては石川県能登地方の観光資源としても扱われており、地域で受け継がれた花嫁のれんの展示会やこれを使用した花嫁道中などの観光イベントが行われ、「花嫁のれん」の語は七尾市の一本杉通り振興会によって商標登録されている。

花嫁のれん - Wikipedia

花嫁のれんの色や柄には時代ごとに流行り廃りがあり、麻や綿のものも見られるが、多くは絹で加賀友禅の手法が用いられ、これもこの伝統技術が継承された一因といわれる。一本杉を中心にゴールデンウィークをはさんで二週間ほど、百数十枚の花嫁のれんが飾られ、花嫁道中も行われる。全国でもここにしかないイベントとして、観光客の評判も高い。

花嫁のれん展公式サイト《花嫁のれんとは?》|一本杉通りで開催されるイベント情報&花嫁のれんギャラリー(石川県七尾市)

 というわけである。

 私には加賀友禅の良さを語るほどの知識も美的センスもないが、婚礼儀式に一度使われたあとは箪笥にしまわれてしまう暖簾を、こうして年に一度、商店ディスプレイの一環として、あるいは観光客呼び込みの目玉に使うというのは、いいアイデアだと思う。

「語り部」たちの話は尽きず

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 「御菓子処 花月」という店で抹茶と和菓子をいただいていたら、おかみさんが待ってましたとばかりに、「花嫁のれん」イベントの来歴や店の歴史を語り始める。その話は、全国菓子博覧会から、世界的に有名になった地元出身のパティシエ・辻口博啓氏の裏話まで、何十分も、尽きることがない。

 それもそのはずで、一本杉通りにはいくつか「語り部」がいる店があって、観光客に向けて茶菓をふるまいながら、街の歴史を語る試みが行われているのだという。まあ、話し好きでないと務まらない職務ではあるけれど。

「花月」のおかさみさんの話によれば、七尾の「花嫁のれん」を世に広めるのに一役買ったのが、作家の森まゆみさん。地元の人には当たり前の古くからの習慣に、他所の町にはない得がたい魅力を見出した。「谷根千」のまちづくりで培った独特の視点とノウハウが背景にはあったのだろう。彼女は町の人々と協力し、『出会いの一本杉』という聞き書きをまとめた。格好の七尾のガイドブックにもなっているという。

 ただ、語り部たちの聞き書きのことを知ったのは帰京してから。ぜひ読んでみたいが、東京の能登観光案内所のようなところで手に入るだろうか。

古い船には新しい水夫が

 一本杉通りでは古い商家が古い商売をそのまま続けているだけではない。古い町屋の構造を活かしながら、ディスプレイを変えたり、内部をリノベートして新しい商売を始めたりした店もいくつかあった。伝統を新しいものとして見せる工夫が凝らされている。

 左の写真は、いまも土壁の糀室や杉桶のもろみ蔵などをもつ「鳥居醤油店」に並ぶ醬油差し。

 醬油よりもむしろこの器が欲しいなと思ったが、「ごめんなさい。私の個人的なコレクションなので、売り物ではないんですよ」とおかみ。

 「歩らり」という店では古い豆皿を2枚ほど買った。もともとは万年筆店だった建物で、2階の窓の意匠がペン先を模している。リノベ後は暮らしの雑貨店と銘打って、新旧の陶器やガラスの器や生活雑器、ケーキなどが、量もほどほどにセンスよく並べられている。奥座敷はお洒落なカフェになっていて、大人の女性とどこかの子供が話をしている。

「そう、パリがいいの? あなた、フランス語も話すのね」──話し手たちの顔は見えないが、そんな会話の断片が聞き取れる。

 Humbert Humbert の「おなじ話」という曲がよく似合うような店だ。東京に戻ってきて調べたら、Facebook でさり気なく店の日常を発信している。


 七尾は、今は製造元は一軒のみらしいが、「和ろうそく」の産地としても知られている(いた)らしい。

 和ろうそくの原料はハゼノキ。その果実から木蠟を採取する。しかし、ハゼノキは能登では取れない。四国の原料をここに運んだのも北前船。能登の湿気がろうそくの生産に向いていたし、なにより七尾は浄土真宗を主体とする寺町なので、需要も多かったのだと、店の若い女性が話してくれた。

 その「高澤ろうそく店」の中庭。雨露を湛えた緑の向こう、奥座敷の入口に花嫁のれんが飾ってある。壮大な山車が繰り出す「青柏祭」の賑わいも消え、静けさが戻ってきた七尾の街の、一幅の絵のような瞬間。

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「いしり」の豊かな食文化に触れる

 小雨けぶるなか、一本杉通りをいきつもどりつずいぶん歩いたら、腹がへってきた。昼食は、街並みを堀のようにつないで七尾湾に注ぐ御祓川(みそぎがわ)沿いにある「まいもん処 いしり亭」というところでいただくことにした。能登地方ならではの魚醤油「いしり」料理の専門店。庭にしつらえた釜戸で炊く能登米のご飯以外は、すべて「いしり」で味付けしているという。マイルドな塩加減と香味豊かなおばんざい風のランチだ。

 この店の人も、たんに料理を提供するだけでなく、問えば「いしり」と、能登の食文化のことを語ってくれる。

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 七尾市は人口約5万5000人。高齢化と若者の流出はここでも顕著ではある。しかしそれを座視するのではなく、地域資源を発掘し、再構築し、魅力的に発信することに力を注ぐ人々がいる。

 その静かだけれども強い意志と、知的なふるまいは──もちろん前夜のお寿司もうまかったのだが、私にとって最高のご馳走だった。

 金沢のような大きな町に宿をとらなくて、大正解だったの巻である。

「サンデー毎日」表紙が「岡田准一」の影絵だった件

 仕事柄ということもあって、まあ、新聞は読むほうだ。しかし紙の新聞はすっかり止めてしまった。読んでも読まなくても、部屋にたまって資源ゴミになるのが面倒なのだ。ただ、いくつかの新聞はネットで有料購読している。

 で、毎日新聞もデジタル会員なのだが、きょうあらためて会員特典として『サンデー毎日』がビューアーでまるごと読めることに気づいた。今頃気づくなんてマヌケ。

 『サンデー毎日』なんて、最近、床屋か歯医者かでしか目にしないな。青木理、保阪正康が連載しているのか。おお、平井玄の「東京階級地図」はなかなか面白いぞ。

対談相手の顔写真がヌケている

  で、読み進むうちに、阿木燿子の連載対談のページに行き着いたのだが、ここで不思議な光景に出くわした。今週号(5月9日号)の対談相手は「横山裕」という関ジャニ∞の子なんだが、肝心のその子の写真が誌面にないのである。ちなみに私は「横山裕」なる人の顔を知らないんだけれど(笑)。

 誌面の一部を画像で紹介すると、こんな感じだ。

 左のすっぽり白くなっているところが、本来の写真位置だ。阿木さんはまるで、塗り壁と対談しているようなことになってしまっている。

 さらにページをくっていくと、「岡田准一」のインタビューもあるのだが、これも彼の写真がすっぽり抜けて、影になっている。あらためて今週号の表紙をみると、あ、そうか、最初は何か新手のデザインかと思っていたのだが、影武者は本来は(紙版では)岡田准一なのだな。  

 うーん、これが噂の「ジャニーズの肖像権タブー」ってやつなのか。タレントの肖像権を厳密に解釈して、紙媒体なら写真OKだが、ネットには使うななどと縛りをかける。ファンクラブの子が、「今週号の○○はキムタクが表紙です」とSNSに画像をツイートするのも禁じられているという。

 新聞や雑誌の広告が、デジタル版だと抜けているというのはよくあって、これはむしろメディア側が代理店との間で結ぶ広告掲載条件ゆえの規制だと思うのだが、有名タレントの顔がネットで消滅するのは別の理由からなのだ。

ジャニーズ肖像権タブー恐るべし

 このタブーについてはこちらのブログで面白可笑しく紹介されている。

bi9rii.hatenablog.com

 日刊サイゾーのこの記事を読むと、なるほど向こうの論理はこうなっているのか、ということがわかる。

news.livedoor.com

 たしかにジャニーズ事務所の弁護士さんの話も、わからないではない。

ネットの場合は、写真のコピーが技術的に容易で、タレントの権利保護が十分に図れないというケースが多いからです。本当に報道目的だけで使われ続ければいいのですが、実際には第三者の手によってコピーが拡散して、タレントが管理できない形で肖像が使用される可能性が低くない。そのためには、入り口で、ある程度コントロールをしなければ、自分たちの権利は守れません。ですから、同じスポーツ紙であっても、紙面とウェブサイトでは別の媒体として考え、許諾・非許諾を媒体ごとに行っています。

 私なりに上記のコメントを解釈すれば、こういうことになるんだと思う。

 「タレント」とはいうが、芸能事務所にとっては「商品」である。その商品は、メディアに露出・流通することを通して初めて価値をもつ。したがって、供給者の適切なコントロールの下にメディアに多数露出させることが、この商品のマーケティングにおける最大の獲得目標になる。

 しかしながら一方で、その画像が管理されないまま、むやみやたらにネットに流出しては、その価値は希薄化しかねない。ときにはブランド価値が毀損することもある。適切にコントロールされた状態で、しかも「ここでしか見られない」という稀少性をつねに演出することで、この商品は初めて成り立つ。

 しかし商品は作り手の思いや都合だけで成立するものではない。消費者が受容し、消費し、再生産を希望するというデマンドサイドの都合があって、初めて商品は商品たりうる。それについての配慮というか考察は、上記のコメントからは感じられない。

 そのサプライサイドの論理はたしかに法律論的には正しくても、文化的論にはどこか寒々とした印象を受けるのである。

なにごとも寡占・独占はよくないよ、という話

 それにしても、他の芸能事務所でメディアに対してこんな規制をかけているところって、あるんだろうか。旬のタレントの顔写真やグラビアは雑誌の花でもあるわけで、ネットで雑誌を読む時代に、そこだけ“スミヌリ”を指示する態度って、なんだかな〜と思う。

 ちなみに、「サンデー毎日」サイトのバックナンバー紹介コーナーは、こんなヘンテコなことになっちまっている。どの号の表紙がジャニ系か、一目瞭然。スクリーンの向こうの影をみてその人を当てる、というクイズ番組が昔あったよな。

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 ジャニ系タレントが表紙を飾る確率が高い、産経新聞系のエンタメ雑誌のバックナンバー紹介はもっと悲惨だ。

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 むろんジャニ系マーケットが巨大だからこそ、この手の雑誌が跋扈するわけで、メディアと芸能事務所のビジネス利権をめぐる条件闘争、そしてその闘いでメディア側が圧倒的に負けているという戦況が、かような事態をもたらしていることは言うまでもない。

 しかしなあ、俺だって毎日新聞の購読料をちゃんと払って、デジタル版「サンデー毎日」を読んでいるのに、事務所の「許諾」が得られないばかりに、旬のタレントのご尊顔が拝めない。そういう一読者の不利益のことは、芸能産業やメディア産業はどう考えているのだろうか(別に岡田某や横山某の顔を拝みたいわけじゃないんだけれどね)。

 いずれにしても、メディアが巨大で寡占的な供給源に依存しすぎると、読者の楽しみは一定失われてしまうという、パラドクスというか、当然の帰結がここに成立してしまっているわけである。

 ま、当ブログは、あんまり肖像権意識しないでやってます。でもけっこうヘタレなんで、どこからかクレームついたら、すぐ止めますけど。

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