小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

How dare you!

https://img.huffingtonpost.com/asset/5d89724124000057007b5774.jpeg?ops=scalefit_630_noupscale

 スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリの国連演説から。

あなたたちは空っぽの言葉で、私の夢そして子供時代を奪いました。それでも私はまだ恵まれている方です。

多くの人たちが苦しんでいます。多くの人たちが死んでいます。全ての生態系が破壊されています。私たちは大量絶滅の始まりにいます。

それなのにあなたたちが話しているのは、お金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか!(How dare you! )

グレタ・トゥーンベリさん、国連で怒りのスピーチ。「あなたたちの裏切りに気づき始めています」(スピーチ全文) | ハフポスト

 動画を見るとほんとに怒っている。日本のネットに棲息する保守のシニシストのなかには、「学校でストライキするぐらいなら、ちゃんと勉強しろよ」などと呟く人もいるが、連中はデモやストライキというものがほんとに嫌いなんだろうな。そういう人に限って、北京の圧政と闘う香港のデモは支持したりしているんで、お笑いだ。

 しかしグレタの言葉は本質を突いている。シニシストやら持続的経済成長支持者(SDGs好きの国連関係者らも含め)らがつかの間の惰眠を貪っている間にも、地球環境は刻々と悪化している。経済発展と環境問題が両立するということ自体がもはや幻想なのだ。

 ところで、グレタが演説で使った How dare you! という言葉。「よくもそんなことを!」と訳したメディアもあるが、英語ではかなり強い罵り言葉なんだろう。この場合は、How dare you say such a thing. という言い方もできる。一つ勉強になった。

 一方で日本の新・環境大臣は同じく国連の会議で「気候変動のような大きな問題への取り組みは、楽しく、かっこよく、そしてセクシーでもあるべきだ」と語った。

 セクシーな環境への取り組みって、都心のオフィス街で浴衣を着て、打ち水することだろうか。対立軸のある問題を、まあままそこはよしなにそこんとこよろしくと、文字通り水に流すのが日本の政治環境。本人は面白いこと言ったつもりなんだろうけれど、言葉は限りなく浮ついている。

 両演説が比較されることで、にやけたセクシー大臣のアホさぶりがいっそう際だってしまった。小泉はTPOを読み違えたというしかない。

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