小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

WoWoW放映8月の関心作(WoWoW初出映画から)

 例によって映画の解説文はWoWoWサイトからの全面的なパクリです。すいません。

みんなのアムステルダム国立美術館へ

8/7(月)よる7:00

 数々の至宝を所蔵し、オランダが世界に誇るアムステルダム国立美術館。10年にも及ぶ珍騒動を経てようやく再オープンした同館の改修工事の顛末を描くドキュメンタリー。

 レンブラントやフェルメールら、オランダ絵画の名匠による傑作をはじめ、数々の至宝を所蔵するアムステルダム国立美術館。200年もの歴史を持つ同館は、2004年に全面的な改修工事が始められたものの、その設計案をめぐって市民や館長、建築家らの意見が紛糾し、計画変更と工事の中断が相次ぐ異例の事態に。2008年発表の「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」で、そのゴタゴタ騒ぎの渦中を描いたO・ホーヘンダイク監督が、本作では2013年、ようやく無事、同館が再オープンするまでを見届ける。

生きうつしのプリマ

8/8(火)よる7:00

 亡き母にうり二つのオペラ歌手の存在を知り、調査の旅に出たヒロインが探り当てた家族の過去とは? 「ハンナ・アーレント」のM・フォン・トロッタ監督による家族ドラマ。

 前作「ハンナ・アーレント」では20世紀を代表する女性哲学者の鮮烈な生きざまを実話にもとづいて描き、高い評価を得たフォン・トロッタ監督が、本作では家族にまつわる半自伝的な物語をミステリー仕立てで映画化。前作にも主演したB・スコヴァ、そして「もうひとりの女」のK・リーマンという、同監督の作品の常連役者である2人の実力派女優をW主演に起用。女優であると同時に、実際に歌手としても活躍するこの2人が、軽妙かつ味わい深い演技と歌声を披露し、何とも不思議でユニークな家族ドラマに仕上がった。

ミモザの島に消えた母

8/9(水)よる7:00

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 30年前に亡くなった母親の死に隠された意外な秘密とは? 「サラの鍵」の原作者T・ド・ロネのベストセラー小説を、L・ラフィットの主演で映画化したミステリードラマ。

 子どもの時に母親を亡くし、その喪失感からなお立ち直れずにいる主人公が、30年の歳月を経て母の死の真相解明に乗り出し、ついに探り当てた意外な真相とは? クリスティン・スコット・トーマス主演の映画「サラの鍵」の原作者として知られるフランスの女性作家ド・ロネが2009年に発表し、本国やアメリカでベストセラーとなった小説を、これが長編監督3作目となるF・ファヴラが、物語の舞台となる風景明媚な島の魅力も活用しながらムード満点に映画化。共演は「イングロリアス・バスターズ」のM・ロラン。

盗聴者

8/10(木)よる9:00|8/23(水)午後4:15

「最強のふたり」に主演したフランスの人気男優にして実力派のF・クリュゼ。彼が、秘密組織が盗聴した音声を文字起こしする孤独な男性をリアルに演じた異色のサスペンス。

 主人公は真面目かつ几帳面なために失業した男性。突然、新たな仕事が舞い込むが、それは謎の組織が盗聴した音声を文字起こしするもの。会話音声などをカセットテープで聴き、旧式のタイプライターで文字に起こしていくなど、ディテールが豊かでリアルだ。そんな作業を淡々とこなしながら、倫理的に悩む主人公役をクリュゼは的確に巧演。1980年代からフランスで活躍し、世界的に大ヒットした「最強のふたり」で知られるベテランのクリュゼだが、本作でも幅広い表現力を発揮した。WOWOWの放送が日本初公開。

ヴィジット

8/11(金・祝)よる9:00|8/21(月)午後1:30

 初めて出会う祖父母と楽しい休暇を過ごすべく、人里離れた母親の実家へ訪問旅行に出掛けた姉弟を待ち受ける恐怖を、M・ナイト・シャマラン監督が鮮烈に描く衝撃のホラー。

 「シックス・センス」や「サイン」などで映画ファンをあっと言わせて一世を風靡し、天才ストーリーテラーの名をほしいままにした鬼才シャマラン監督。今回、久々にオリジナル脚本をもとに、超低予算&ノースターながらもスリラー映画という自らの原点に回帰した同監督が、彼お得意のひねった話術と巧妙な仕掛けを凝らしてその本領を存分に発揮。手軽なハンディカメラによる主観映像を主体に、ハラハラドキドキ感満点のサスペンス劇を巧みに構築して、全米でみごとスマッシュヒットを記録し、完全復活を果たした。

日本のいちばん長い夏

8/13(日)午前11:00

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 第2次世界大戦の終戦から18年後の1963年、政治家や官僚、元軍人らが一堂に集って行なわれた歴史的座談会の様子を、豪華多彩な顔ぶれで再現した異色のドキュドラマ。

 1963年、雑誌「文藝春秋」の主催で、著名な政治家や官僚、元軍人ら、計28人が出席して1945年の終戦間際の長い夏を各自の視点で振り返る、画期的な座談会が実現。その採録は「日本のいちばん長い日」の題で同誌に掲載されて大きな反響を呼び、書籍版の刊行を経て映画化もされることに(1967年。2015年には再映画化)。この歴史的座談会の様子を、本作では現代の日本の各界を代表する著名人たちを起用して文士劇のスタイルで再現するほか、重層的な形式が試みられ、異色のドキュドラマに仕上がった。

淵に立つ

8/13(日)よる9:00|8/24(木)午後3:45

 崩壊した家族に、光は射すのか―。第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞ほか、国内外で数々の映画賞に輝いた、注目の新鋭・深田晃司監督が放つ衝撃の話題作。

 「ほとりの朔子」や「さようなら」などで、現代日本映画界きっての俊英として国際的に注目と期待を集める深田晃司監督。本作では、前科持ちのどこか謎めいた男の出現により、とある家族の運命が急旋回していくさまを、同監督が峻厳なタッチで描写。家族を翻弄する謎めいた男を、「岸辺の旅」の浅野忠信が圧倒的な存在感で演じるほか、古舘寛治、筒井真理子らが各自、息詰まる力演を披露。第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞に輝いたのをはじめ、日本国内でも数々の映画賞に輝き、絶賛を博した。

ほとりの朔子

8/13(日)よる11:15

 叔母に誘われ、海辺の避暑地で休暇を過ごすことになった18歳のヒロインのひと夏の体験を、「淵に立つ」の深田晃司監督ラ人気女優・二階堂ふみの顔合わせで綴った魅惑作。

 「歓待」で第23回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門作品賞に輝いた深田晃司監督と、「ヒミ ズ」で第68回ヴェネチア国際映画祭の新人俳優賞を染谷将太と並んで受賞した二階堂ふみ。当時、ともに日本映画界の次代を担う期待の星として注目を集め、伸び盛りにあった2人が、初のタッグを組み、どこかエリック・ロメール監督の作品を思わせる、爽やかでみずみずしい青春映画がここに誕生。フランスのナント三大陸映画祭でグランプリに当たる「金の気球賞」と「若い審査員賞」をW受賞し、さらなる脚光を浴びた。

ニュースの真相

8/20(日)よる9:00|8/23(水)よる7:50

 米国で実際に起きたスクープ報道をめぐる一大騒動を通して、真実とは何か、ニュースの本質とは何かを鋭く世に問いかける、今こそ見るべきC・ブランシェット主演の注目作。

 2004年、米国の看板報道番組が、当時現職のジョージ・W・ブッシュ大統領に軍歴詐称の疑いありというスクープを報道。しかし、それを裏付ける証拠が偽造されたものであるとの疑いが浮上し、肝心のことの本質は問われないまま、番組キャスターの降板という形で事態は決着することに。その顛末を、実話をもとに映画化した本作の原題はずばり「TRUTH(=真実)」。いまやトランプ大統領の治世となり、「ポスト・トゥルースの時代」という言葉が世界中の人々に実感される今日だからこそ、必見の注目作となった。

コロニア

8/22(火)よる9:00

 軍事独裁政権下の南米チリを舞台に、極秘の拷問施設に収容された恋人を救出すべく、そこへ潜入した女性の運命を、人気女優E・ワトソンの主演で綴った息詰まるサスペンス。

  1973年、南米の国チリで軍事クーデターが起き、独裁政権が誕生。反体制分子として捕らえられた恋人が、極秘の拷問施設“コロニア”に収容・監禁されたと知り、彼を救出すべく、“コロニア”への潜入を決意するヒロインを、「ハリー・ポッター」シリーズや「美女と野獣(2017)」で知られる人気女優、ワトソンが体当たりで熱演。驚愕の史実をもとに、緊迫のドラマを生み出したのは、アカデミー短編実写映画賞の受賞歴を誇るドイツの俊英、F・ガレンベルガー監督。共演は、D・ブリュールとM・ニクヴィスト。

バーン・カントリー

8/24(木)よる9:00

 アフガニスタンから米国に亡命した元戦場記者が、田舎町である殺人事件の謎を調べるうち、町に隠されたタブーに触れていって……。不思議な味わいがある社会派ミステリー。

「127時間」で第83回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたJ・フランコ、「ザ・ファイター」で同年度アカデミー賞の助演女優賞を受賞したM・レオ、イラン出身の中東系男優D・レインズなど多彩な顔ぶれが集まったインディーズ映画の意欲作。アフガニスタンから米国に亡命した元戦場記者が主人公なのもユニークだが、発生する殺人事件の真相究明の流れもオフビート。テイストが似ているのは「ウィンターズ・ボーン」だろうか。まずは独自の余韻が鮮烈な印象を残す1本だ。WOWOWの放送が日本初公開。

二重生活(2016)

8/27(日)よる10:00

 長谷川博己が変幻自在の演技で、門脇麦と演技合戦を繰り広げるミステリードラマ。論文を書くため、理由なき尾行を始めた女子大学院生が、いつしかそれにのめり込んでいく。    小池真理子の同名小説を、NHKで放送された「開拓者たち」「ラジオ」を手掛けた岸義幸監督が、脚本と編集も兼任して映画化。門脇演じる女子大学院生の珠が、長谷川演じる編集者の石坂の尾行を始めてからの展開がスリリングで、まるでアルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」など、優れたサスペンスを見ているような感覚を味わえる。ある秘密が終盤で明らかになる仕掛けなど、随所に施された凝った演出も見ものだ。珠を尾行という行為に誘う大学教授・篠原役を扮したリリー・フランキーの存在感もすばらしい。

ミス・シェパードをお手本に

8/28(月)よる9:00

 路上に止めたオンボロ車の中で自由気ままに暮らすなんとも風変わりな老婦人の姿を、イギリスきっての大女優M・スミスの主演で愉快に描いたハートウオーミングな人情喜劇。

 イギリスのロンドンを舞台に、路上に止めたオンボロ車の中で寝泊まりするホームレスの老女、ミス・シェパード。そのなんとも自由奔放でわがままで、でも憎めないチャーミングな姿を、なぜか彼女と腐れ縁の不思議な交友関係を結ぶことになった劇作家A・ベネットの実体験をもとに、ユーモラスに綴った魅惑の感動作。先に舞台化され、そこでも主演を務めたスミスとA・ジェニングスが、軽妙な掛け合い芝居を披露。とりわけ、「ハリー・ポッター」シリーズなどでも知られる大女優スミスの偏屈ばあさんぶりは絶品で最高!

ジョイ

8/29(火)よる9:00

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 平凡なシングルマザーが、自分が発明した新型モップで人生を変えようと挑むが……。「世界にひとつのプレイブック」でアカデミー賞の主演女優賞に輝くJ・ローレンス主演。

 現在のハリウッドを代表する若手女優ローレンスが、オスカー受賞作「世界にひとつのプレイブック」や「アメリカン・ハッスル」でも組んだD・O・ラッセル監督や、これらの作品での共演陣、R・デ・ニーロ、B・クーパーらとまたもタッグを結成。第88回アカデミー賞でローレンスが主演女優賞にノミネートされながら日本では惜しくも劇場未公開に終わった知られざる秀作だ。実話に基づき、自分が発明した新型モップを全米TV界の通販専門チャンネルで売ろうと奮闘するシングルマザー役をローレンスは魅力的に好演。

ダニエラ 17歳の本能

8/31(木)よる11:00

 厳格なキリスト教徒の家に生まれ育った17歳の好奇心旺盛な少女が、親の監視の目を盗んで奔放な性体験に身を委ねていくさまを軽妙に綴った、南米チリ製の青春官能映画。

 厳格なキリスト教徒の家庭に生まれ育ったものの、折しも思春期を迎え、セックスに対する好奇心をどうにも抑えきれない17歳の少女ダニエラ。そんな彼女が、親の監視の目を逃れてブログに自分の想いを赤裸々に書き綴り、自由奔放な性の冒険に乗り出していくさまを、南米チリの女性監督M・リバスが軽妙なタッチで魅力的に活写。サンダンス映画祭やサンセバスチャン国際映画祭などでも上映されて受賞を果たし、好評を博した。

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