小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

マンション建設中断

 自宅のそばにある堀坂、六角坂の隣地で建設中の地上8階建てのマンション「ル・サンク小石川」が、外観はすっかり立ち上がり、内装工事が進む段階で、急に工事がストップした。

 なんでもマンション建設計画に反対する住民らの申し立てを審査していた都の建築審査会で、9月に執行停止、そして10月に建築確認を取り消す裁決が行われたというのだ。

参考1:「小石川二丁目マンションの無秩序な開発・建築を考える」

参考2:「マンション・チラシの定点観測」

 このことは、11月14日付の朝日新聞でも報道された。

 報道によれば、

法令上、マンションでは火災や災害時に屋外に出られる避難階を設ける必要があり、審査では1階の大型駐車場が避難階と認められるかが争われた。建築審査会は、駐車場と地上との高低差が2・5メートルもあり、直接の通路が車用のスロープしかないことなどから、「避難時に有効に機能するとは認められない」と指摘。避難階段などの設置を求めた都建築安全条例違反と判断した。

 業者(NIPPO/神鋼不動産)が都の裁決に従う場合には、改修を行ってあらためて確認申請を行うことになるが、その場合、現在施行されている文京区の高さ規制に従わざるをえず、2階分の減築が必須だという。裁決に不服の場合は、国交省による再審査や裁判を求めることになる。そこで、都審査会の裁決が覆される可能性も残っている。

 報道によれば、住戸の販売はすでに終了しているという。私も来年2~3月には入居が始まると聞いていた。こんな竣工直前のマンション工事が中断されるというのは、あまり聞かない話ではなかろうか。デベロッパーはもちろん、施工業者(安藤・間)や販売業者(三菱地所レジデンス/野村不動産アーバンネット)もいまごろ慌てふためいていることだろう。

 このマンション建設にはいろいろいわくがある。もともとは銀行の寮があったらしい。私がこの地に引っ越して来たころは、空き地になっていた。そこに一度、マンション建設計画が起きたが、住民の反対運動が強く、最初のデベは撤退。二度目のデベと住民の間でも交渉が難航していたようで、一時は敷地向かいの既存のマンションに「建築反対」のポスターが貼られていた。それも見かけなくなって、紛争は解決したのかと思っていたのだが、そうではなかった。いずれにしても周辺には静謐な時間が戻ってきて、私はホッとしているのだが……

//トップに戻るボタンの設定
//トップに戻るレンジの設定