先日、当ブログは都知事候補に石田純一を推したが、本人はよくわからない理由で出馬を取りやめた。代わりに急きょ、鳥越俊太郎が浮上、本日、記者会見を開いて、立候補を表明。民進、共産、社民、生活の野党4党が統一候補とする見込みだ。
先にも触れたように、都知事選は希代の人気投票でもあるから、自公系に勝てる候補としては石田よりも鳥越のほうが可能性が高い。自民党支持者の票が増田と小池に分かれるとすれば、これは野党統一候補にとってはチャンスである。もちろん、小池は無党派層にも一定の人気があるから、鳥越に行くべき票がこちらに流れる可能性もある。
したがって反自公勢力が勝利するためには、野党が鳥越支持の一本化を盤石のものとしつつ、有力市民団体もまた鳥越支持を表明し、そして宇都宮健児の出馬取りやめを強く求めていくべきだ。何度も言うように、宇都宮の人柄の誠実さと弁護士としての実績を疑うものではない。しかし、都知事選に絶対に勝利して、自公政権に一泡ふかせるためには、反自公勢力もまた「分裂」してはならないのである。
2013年の都知事選で、98万票を得た宇都宮の「実績」を強調するむきもあるかもしれない。しかし、それは桝添の211万票の半分以下でしかない。98万は脱原発を求める民意の表れではあったが、知事選に勝てる票数ではなかった。
しかも2016年の都知事選は、参院選における自公の3分の2議席確保でさらに状況は悪化している。桝添に匹敵するような知名度と人気度の候補者でなければ、安倍政権の支配には打ち勝てないのだ。もはや雪崩を打つように鳥越に票を集めることでしか、安倍政権への痛打にはならない。鹿児島知事選における三反園勝利の「教訓」をいかすべきだ。
もちろん、7月14日の公示直前になって小池が出馬を取りやめ、増田の支持に回る土壇場劇も想定しておかなければならない。そのためにも、宇都宮辞退交渉はあくまでも水面下で進めておいて、小池の正式出馬が決まった直後に公表するという、アクロバティックな手法も検討する必要があるだろう。そこまでしないと、自民党には勝てないということを肝に銘じるべきである。