新評論から送られてくる新刊案内で、奇妙な衣裳の人物が立つ表紙の本に目を惹かれた。「南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死」と副題にある。「この秘密は、我々の最後の者が墓まで持っていかねばならない」と、おどろおどろしい惹句が踊る。
ネットにも、この本について、あるいはセルクナムの奇祭についてはいくらか情報があった。全国紙の書評に採り上げられたらしく、少し話題になっている。欲しいのだが、人類学の専門書でもあるので、少々価格がはる。近所の図書館の蔵書リストにはあったが予約殺到で、たぶん順番が回ってくるのは半年後になるだろう。
しかし写真からさまざまなことを想像するだけでも、楽しい。未開の世界には憧れがある。いや未開ではなく、これは優劣を超えた、我々の次元とは異なる文化圏というべきだろう。世界はまだまだ、こんなにも広いのだ。