小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

観光マインドって...要はカネのことかい

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 国立博物館でスニーカーメーカーがイベントを打ったり、東大寺がライブ会場になったりするのは、ま、そんなに悪いことじゃないと私は思う。もちろん文化財を傷つけない範囲でというのが大前提だけれど。

 地方創生大臣の発言に関する小田嶋隆氏のブログから。

学芸員に観光マインドを求める態度は、大学の教員や医者に「接客マインド」を求め、研究者に「起業家マインド」を要求する昨今流行の市場経済万能主義から派生した拝金思想と軌を一にするもので、ついでに申し上げるなら、そもそも「古い」からこそ価値を持ちこたえている博物館や美術館の収蔵品に「リニューアル」を求める思想の本末転倒の浅薄さは、文楽に現代的な演出を求め、仁徳天皇陵を電飾でデコレーションして世界遺産登録を促そうとする政治家の馬鹿さ加減と見事なばかりに呼応しているわけで、結局のところ、この人たちは地域をネタに一儲けをたくらむ野盗コンサルの手先みたいなものなのだ。

引用:マインドなき大臣が更迭されない理由:小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明:日経ビジネスオンライン

 小田嶋氏はこうした夜盗コンサルみたいになってしまった大臣への辞職要求がなぜ高まらないのか、その理由をこう記す。

たぶん多くの国民は、 「別にいいんじゃねえの?」  と思っている。  というよりも、 「誰に代わったからって何が変わるわけでもないだろ?」  ぐらいに考えている。  一番の危機は、実にここのところにある。  つまり、誰も閣僚に高い見識や立派な人格を期待しなくなっているというこの状況こそが、安倍一強体制がもたらしている最も顕著な頽廃なのである。

 ま、その通りだろう。私は加えて、学芸員や文化の役割を理解できないのは、いわゆる「経済脳」という一種の器質ゆえではないかと思ったりする。全ての価値を金の損得に瞬時に置き換えてしまう思考回路。触ったもの全てを黄金に変えたという、ギリシャ神話のミダースのような。新自由主義がこうした疾患を増大させている。この大臣も東大経済学部卒(元は理系で途中で文転したらしいが)。「経済マインド」がやたら強すぎたのだろう。

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