小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

ハノイ紀行01 ベトナムが好きになったワケ

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 11月1日から8日まで、旅友Sと共にハノイを訪れた。ベトナムは今年2月のホーチミンに続いて、二度目の旅行だ。観光で、年に二度も同じ国を訪ねるのは初めてのことだが、それだけベトナムが気に入ったということでもある。


 気に入ったのは、まずは「メシ」。ベトナムも広いから地域によって料理には差があるようだが、基本は米をベースした主食と、豊富な野菜と少量の魚、肉。ベトナム料理はそれらをバランスよく摂取できるように構成されている。「ベトナムにデブはいない」のはほぼ確定的事実で、それはひとえに日々の食事のカロリーバランスのゆえではなかろうかと、想像している。


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 路上に座って食べる屋台料理からフランス料理風にデコレーションされた高級料理まで、その幅も案外広い。コリアンダー=シャンツァイ=パクチーなどの香草と、ニョクマム魚醬)の臭いが苦手な人にはお勧めできないが、それ以外の日本人なら、米食を主としているだけに、まず抵抗は少ないのではないだろうか。


 人口890万人のうち20歳未満が35%を占める「若い国」であることも、ベトナムの魅力の一つになっている。ホーチミンハノイだけの印象でいえば、町は早朝から夜遅くまで若者の熱気に溢れている。道路横断のたびに怯えるおびただしいオートバイの数は、ベトナムの都市部についての好悪を決定づける重要な要素だが、その量と騒音を、「活気」や「沸騰」と言い換え、それに慣れることができれば、ベトナムは間違いなく面白い。今回は、これからのアジア経済、いや世界経済を支えるかもしれない、若い国の産業事情や消費事情の一端にも触れることができた。


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 私たちの旅は、もともと高級ホテルライフやリゾートがメインではない。どの国にいっても古びて入り組んだ下町の街路をとぼとぼと歩き、ときにはバスや電車に乗って市場やスーパーマーケットを巡り、その街の人が日々、何を食い、何を買っているのかを、疑似体験するのを目的としている。そういう旅の嗜好からすれば、ハノイホーチミンとともに最適なディストネーションの一つだろう。とりわけハノイ旧市街の「36通り」は、仰天に満ちたアナザーワールドだ。


 加えて言えば、ハノイの街々にそこはかとなく漂う、意外とお洒落なアート感覚にも今回は気づくことができた。全体にはまだ「お土産物」のレベルを越えるものではないが、その域を脱したベトナム・アートの可能性を感じることができた旅でもあった。


 このブログも、しばらくはハノイの印象を点描的に書き散らすことになる。しばし、おつきあい願いたい。

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