小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

アメリカ人も原爆投下を誤りと

 読売新聞ってのは、政府の代弁とスポーツ面ばかりで読むところのない新聞だが、たまには面白い記事もある。

 今朝、たまたまファミレスで無料配布されていた朝刊を開くと、広島原爆投下70年(ちなみに、投下ってのはなんか隔靴搔痒な言い方だな。ストレートに原爆攻撃あるいは原爆被害というべきじゃなかろうか)ということで、『原子爆弾の誕生』を書いた米国のピューリッツァー賞作家リチャード・ローズ氏(78歳)のインタビューを掲載していた。

 こんな話に興味が惹かれた。

 原爆投下の是非は世代間で異なります。米国の学校では模擬裁判の授業がありますが、トルーマン大統領の原爆投下の決断を議論すると、多くの場合は「弾劾されるべきだ」との結果になります。これが今の若い世代の見方でしょう。

 70年前は違いました。ジェームズ・バーンズ国務長官は、大統領に原爆投下をこう迫ったのです。「戦争を終結させ、米兵の命を救う武器を持ちながら使わない場合は、弾劾裁判で責任を問われるだろう」

 トルーマンは当時、原爆を使用しなければ弾劾され得る立場にありました。原爆投下の決断に、こうした状況が影響したのは間違いありません。

 米国の学校教育における模擬裁判の話も、武器を使わなければ大統領が(議会から?)弾劾されるという話も、共に米国という国の“くにがら"を感じさせる。

 ちなみに、昨日の東京新聞夕刊には、

⇒ 東京新聞:米世論調査 44歳以下は「原爆投下は誤り」多数::

米国民を対象とした日本への原爆投下に関する世論調査で、四十四歳以下の年齢層で「誤った判断だった」と答えた人が「正しい判断」と回答した人より多いという結果が出た。四十五歳以上は「正しい」が圧倒的で、世代による意識の差が鮮明になった。

2015年8月5日 夕刊

 という記事が掲載されていた。原爆攻撃直後の1945年8月のギャラップ調査では、それを支持する回答が85%に達していた。アメリカの世論も70年経てば変わるということだろう。

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