小石川で牡蠣料理の店といったら、ここだろう。というか、オイスターバーは他にはないのだが、ここがあって私は幸せではある。
「オイスター&ロティサリーチキン レガール(Oyster&Rotisserie Regal)」
高層マンションの裏路地は、場所的には不利とも言えるし、一度わかれば「隠れ家」的にも使える。ことしの3月、昔からの仕事仲間ら6人で定例の「牡蠣を食う会」をここで開き、好評だった。
都内でオイスターバーの総シェフをしていた佐藤さんと奥さん、それにスタッフ2~3名で切り盛りしているのだが、この前久しぶりに夜に顔をだしたら、7月末からランチをお休みにするという。男性スタッフの一人が辞めてしまい、後の手当がつかなかったのだとか。最近、料飲業界で人手不足閉店とか規模縮小とかいう話をよく聞く。
その晩はご夫婦の5歳になる息子くんが親戚の人と一緒に来ていた。こういう家庭的雰囲気も私は嫌いではない。なんでも秋には第2子が生まれるとのこと。おめでたい話ではあるが、店のオペレーションはますます大変になりそうだ。ランチ休止にはそういう事情があるのかもしれない。
さて、この店は国産の知られた銘柄をバランスよく押さえた牡蠣(都心繁華街のオイスターバーに比べたらはるかに安価)はもちろん、店名にあるように丸焼きチキンも美味い。パスタも季節に応じてオリジナルな装いで出してくれるし、なにより私の好物は、〆にはたいていいただく「牡蠣と大葉のリゾット」である。
ただそれらはグルメサイトなどでも紹介されているはずなので、今日の写真はリゾットの前にいただいた「夏野菜のフリット」。ズッキーニなど夏の西洋野菜を揚げただけなのだが、上手に野菜の旨味を引き出してくれていた。黒いカウンターテーブルに透明なガラス皿、そこにカラスミを散らしたことで、絵画的にも美しくなった。あえていえば、小さな野菜の宇宙か。