久しぶりにこの女優の名前を思い出した。
クシシュトフ・キェシロフスキ監督の『ふたりのベロニカ』はあまりにも鮮烈だった。『トリコロール/赤の愛』もまた。このころは20代半ば。その美しさは、イングリッド・バーグマンを彷彿とさせる気品に満ちていた。
その後、あまり作品に恵まれていないなと思うことがあり、すっかりその存在を記憶の奥のほうにしまい込んでいた。ところが、WoWoWの来週の録画予定をチェックしていたら、テオ・アンゲロプロスの遺作『エレニの帰郷』で久しぶりに主演しているではないか。
俺としたことが(笑)、なぜ劇場公開時に駆けつけなかったのだろう。
左写真『ふたりのベロニカ』(1991年公開)から右『エレニの帰郷』(同2008年)までの17年間。女優としての彼女の人生が、刻み込まれるような映画であってほしい。