小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

政府公式テレビ

熊本地震への対応を協議するNHKの災害対策本部会議で、本部長の籾井勝人会長が原発関連の報道について「住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えてほしい」と話していたことが23日分かった。   関係者によると、会議は熊本地震の取材態勢などを各部局の責任者が報告するもので、理事や局長ら約100人が出席して20日朝に開かれた。最後に発言した籾井氏は、被災地で自衛隊が活動するようになって物資が届くようになったことなども報じるよう求めたという。

引用:地震後の原発報道「公式発表ベースに」 NHK籾井会長:朝日新聞デジタル


 原発に関する公式発表とは何をさすのか。政府または電力事業者の発表のことだ。たとえば政府が「ただちに健康に影響はない」と言っても、それをバカのように真に受けるのではなく、その裏を取るのが報道機関の仕事だろう。そして、原発事業者が歴史的にこれまで何度も事故を隠蔽し、虚偽の報告を重ねてきたか、知らないのか。情報源が“公式”のものしかない状態こそが、「住民の不安をいたずらにかき立てる」のだ。


自衛隊が活動するようになって物資が届くようになった」のはある部分では事実だが、災害救助に力を発揮するのは自衛隊だけではない。籾井の発言からは、報道を自衛隊賛美に向かわせようという誘導が感じられる。


 私はかねてから、NHKに受信料を払わずに、それを「国営放送」などと揶揄する人々には、つねに反対してきた。市民がクチを出すだけでなく、カネも出してそれを支えることこそが、公共放送を一部の企業や国家のなすがままにしない唯一の方法だと考えていたからだ。しかしそこの経営トップが、報道に関してこのような認識を示し、それをいつまでも改めることがないのだとすれば、私のほうも考え方を変えなければならないかもしれない。

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