小石川日乗Hatena版

おっさんがよしなしごとを書き散らします

人間ピラミッド

⇒ 組み体操、揺れる現場 高さ制限や中止、支持も根強く:朝日新聞デジタル:

大阪府八尾市立の中学校の運動会で先月27日、組み体操「10段ピラミッド」が崩れ、中段にいた中学1年男子生徒の右腕の骨が折れた。この学校では昨年に4人、一昨年は2人が組み体操中に骨折していた。

 このニュースで「人間ピラミッド」の是非が議論になっている。私は、まあ、子どもたちがやりたいというのであれば、気をつけてやっていただきたいという程度で、特に肯定も否定もしない立場。

 ちなみに昭和の頃は運動会といえば「騎馬戦」というのがあったが、これもいくつかの事故訴訟がきっかけで、中止または競技形態の制限が行われるようになったと記憶している。今でも実施している学校はあるかもしれないが、おそらく激しさは旧来の比ではないだろう。

 そんな折、ふと思い出したのが、スペイン・カタルーニャ州の伝統行事「人間ピラミッド」だ。「人間の塔」という意味で「カステーレス(castells)」と呼ばれる。

 その動画があったのでご紹介。

Screenshot 1149

 それを見る限り、スペインの「人間の塔」は日本の「人間ピラミッド」なんかよりはるかに高い。底辺ではかなりの数の大人たちがしっかりと基盤を支えている。女性も上る。さらにその背を、ヘルメットをつけた子どもたちが小猿のように上っていく。倒壊事故もけっこうあるようだ。動画では救急車で搬出されるけが人もちらっと写っている。

 この動画を紹介したサイトによれば「カステーレス」は、

もともと農家の人たちの間で行われていたもので、農業に必要な「足腰の力(FORÇA)」「仲間との信頼(EQUILIBRI)」「勇敢さ(VALOR)」「理性(SENY)」の4つを競うためのイベントだったとか。

 起源は「農業」だったり「軍事」だったり色々あるだろうけれど、変に思想づけせずに、スポーツや伝統行事として純化したほうがいいとは思う。というか、近代スポーツの多くは、戦争や祭事を含む人々の生活にその起源をもつ。それをエンタテインメント化したものだと考えるべきなのだ。

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