小石川日乗Hatena版

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「南軍旗」をめぐる記憶

 

黒人活動家「白人優位を取り除く時だ」 ポールよじ登り「南軍旗」撤去 米南部コロンビア

米南部サウスカロライナ州コロンビアの州議会議事堂脇で27日、南北戦争の南軍旗掲揚に反対する黒人活動家の女がポールをよじ登り、旗を降ろした。女は現場で逮捕され、旗は間もなく再掲揚された。米メディアが伝えた。」(産経ニュース 2015/6/28)
 旗は象徴だ。観念と規律と感情と欲望の、ときには集団の記憶の。人々は旗をまとい、旗を奪う。ときにはこのようにポールをよじのぼり、暴力をもって、そのはためきを止めようとする人もいる。

「これは憎しみの旗ではなく(歴史的)遺産の旗だ」という声もある。だが、歴史を遺産として受け入れるのは、かつてその旗をめぐって血みどろの争いを繰り広げた人々の記憶が平和的に癒されたり、正義の場で償われた場合だけだろう。抗争・対立する諸現実のもとでは、遺産はいまだ生々しい腐臭を漂わせている。

【関連記事】消える米南軍旗 教会乱射事件受け 「黒人差別の象徴」(朝日デジタル 2015/06/26)

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